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2010年 01月 26日

田谷の洞窟



  大船に通称「田谷の洞窟」とよ呼ばれる場所がある
  有名だが行ったことがないので訪ねてみた

  大船から環状4号線を原宿交差点に向かい
  田谷の信号を右折するとやけに目立つ
  「大船ラドン温泉」の看板が目に入る
  隣りに「田谷の洞窟」の看板がたっている

  洞窟は「田谷山定泉寺」という真言宗のお寺の
  境内にあり、正式には「瑜伽洞(ゆがどう)」と言う

  もとは古墳時代の横穴墳といわれたものを
  鎌倉時代に真言密教の修験僧たちが修行場
  としてノミで掘り広げたといわれている

  江戸時代には洞門が閉鎖され寂れてしまったが
  天保年間に洞内に流れる川を灌漑に生かすためと
  修行場を整備するためさらに掘り進められた

  しかし明治の廃仏希釈でまた洞門が閉じられたが
  昭和2年(1927年)から公開され
  今でも修行の場として厳粛な宗教空間になっている

  全長は1kmと推定され計測可能な部分540m
  の一部が公開されている






受付で洞内を回るのにどのくらい時間がかかるか聞くと
「みなさん20分くらいで出てきますヨ」と言われた

拝観料400円を払うとローソクをくれる

本堂の裏に高さ2m、幅1mくらいの入り口があり
奥は電球がポツンとみえるがかなり暗い

ローソクをつけて入る
ゆっくり歩かないと火が消えそうになる
なるほどそのくらいの早さで歩きなさいと言う事か。。。

しばらく進むと「行者道へ進みなさい」と
右の小さな穴へ順路が示される

腰をかがめて入ると小さなホールに出る
壁や天井には仏像が彫られている

崩落の危険があるのか宗教上の理由なのか
枝穴は通行止めになっているので順路に
したがっていけば迷う心配はない

暗さに目がなれたせいもあるがポツンポツン
とある照明でも足元は見える

小さなホールがいくつもあり
それを結ぶ通路はときとして腰をかがめないと
通れなく、上下に階段もあり
(資料を見てみると3層になっていた)
方向感覚が解らなくなってくる

壁に彫られた世界は密教でいう
胎蔵界曼荼羅なのだろうか
この洞窟全体が大きな伽藍なのかもしれない

各所には全国各札所の仏像の彫刻があり
洞窟を一周すれば全て回ったことになるという


自分以外はだれも入っておらず
水がしたたり落ちる音がが響き
流れる川の音は三途の川なのだろうか

やがて一際おおきなホールに出ると
奥の院で弘法大師がまつられていた
その奥に小さな穴があり鎌倉時代朝比奈三郎が
幕府との戦で敗れここから逃げたとも伝えられている

奥の院からつながる部屋は一際天井が高いドーム型の
大回廊になっており、壁面には不動明王や
十二神将が彫られている

洞窟内は1年を通して15~16℃と冬は暖かい

しばらく歩き角を曲がると遠くに出口の明かりがみえ
現世へもどってきた感じがする


by yamamichishake | 2010-01-26 17:53 | 横浜 | Comments(0)


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